国連平和活動における性的搾取・虐待の防止とアカウンタビリティに関する共同研究プロジェクトの開始をお知らせいたします。プロジェクトは2018年10月1日に開始し、2019年9月30日に終了する予定です。私とロンドン・スクールオブエコノミクス(LSE)のマーサ・ヘンリー准教授との共同研究です。LIXIL潮田東アジア人文研究拠点、ヒューマニティーズセンターのプロジェクトとして採択していただきました。

研究者

キハラハント愛(東京大学准教授):プロジェクト長

マーサ・ヘンリー(London School of Economics准教授):共同研究者

 

プロジェクト計画

1. 題目

国連平和活動における性的搾取、虐待の防止とアカウンタビリティ

2. 目的

このプロジェクトは、国連平和活動要員によって引き起こされた性的搾取・虐待の防止とアカウンタビリティに関する包括的な分析を行うことを目的としています。平和活動要員による性的犯罪の問題は1990年代から報告されているものの、国連は効果的に対処することができていません。このプロジェクトの結果は学術のみならず、国連の関連する政策や内部メカニズムの改革に貢献することを目的とします。

3. プロジェクト計画

キハラハント副センター長は国連平和活動要員によって引き起こされた犯罪の刑事訴追について研究を行ってきました。また、現在大幅な改革が行われている国連の内部機構と内部規則の実行に関して、更なる研究を予定しています。また、犯罪に至らない程度の行為をも含む性的搾取・虐待(SEA)にも研究範囲を広げています。ヘンリ―准教授は社会科学的また女性学的観点からSEAの防止について研究を行います。彼女は、SEAに直接的、間接的に影響すると考えられる要素について分析し、国連と加盟国の防止に対する各イニシアチブがどれだけ効果があるか、調査する予定です。

これら二つのアングルを持つことにより、このプロジェクトは国連平和活動において引き起こされたSEAの防止とアカウンタビリティについて、より全体的な分析を行うことを目的としています。

4. イベントと研究結果公開

東京において、2019年4月19日、2019年9月13日の二回公開セミナーを予定しています。9月には、ニューヨークで、国連・加盟国の関係者と研究者による会議を予定しています。最終研究結果は両研究者のウェブサイトにて公開される予定です。

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