キハラハント愛の世界漂流徒然日記

国連平和維持活動、国際人権法、治安部門改革の分野で活動する キハラハント愛のブログです。

国連平和活動

国連の平和活動要員における性的犯罪を訴追する法的障害について

長く国連の平和活動における
要員による犯罪を刑事的に訴追する場合に
よく言われる法的障害:刑事管轄権と法的措置からの特権免除について、
検証の結果それらは実質的にほぼ法的には障害とならないが、
現実には法の適用の仕方や内部の政策によって
実質的な障害とされてしまっている現状を
こちらの国際法のハブのウェブサイトに寄稿しました。

国連の実務者も
しばしば混同して理解しているこの分野ですが、
法的には複雑ではありますが、明らかです。
要員のカテゴリーなどがかなり細かく規定されているので
より詳細には
こちらの拙稿で検証していますが、
上記のウェブサイトでは要約した形で説明しています。

コメント・質問などはコメントでどうぞ。


国連平和活動における性的暴力・搾取についてのラウンドテーブル会議 カンファレンスレポート

Humanities Center report

東京大学ヒューマニティーズセンターのニュースレターに、
同センターのプロジェクトで開催した
国連平和活動における性的暴力・搾取についてのハイレベルラウンドテーブル会議のカンファレンス・レポートが掲載されました。

昨年9月に
国連被害者の権利アドボケートのジェーン・コナーズ女史と
共同研究者でロンドン・スクールオブエコノミクス(LSE)の
マーシャ・ヘンリー准教授との共同開催で
ニューヨークの日本政府国連代表部にホストしていただきました。

国連次長、次長補が4人列席してくださり、関連の幹部と研究者が
それぞれの立場から意見を交換しました。

報告書はこちらから見られます。

改めてこの研究を可能にしてくださった皆様に御礼申し上げます。

国連平和活動における性的暴力・搾取の予防・アカウンタビリティプロジェクト始動

国連平和活動における性的搾取・虐待の防止とアカウンタビリティに関する共同研究プロジェクトの開始をお知らせいたします。プロジェクトは2018年10月1日に開始し、2019年9月30日に終了する予定です。私とロンドン・スクールオブエコノミクス(LSE)のマーサ・ヘンリー准教授との共同研究です。LIXIL潮田東アジア人文研究拠点、ヒューマニティーズセンターのプロジェクトとして採択していただきました。

研究者

キハラハント愛(東京大学准教授):プロジェクト長

マーサ・ヘンリー(London School of Economics准教授):共同研究者

 

プロジェクト計画

1. 題目

国連平和活動における性的搾取、虐待の防止とアカウンタビリティ

2. 目的

このプロジェクトは、国連平和活動要員によって引き起こされた性的搾取・虐待の防止とアカウンタビリティに関する包括的な分析を行うことを目的としています。平和活動要員による性的犯罪の問題は1990年代から報告されているものの、国連は効果的に対処することができていません。このプロジェクトの結果は学術のみならず、国連の関連する政策や内部メカニズムの改革に貢献することを目的とします。

3. プロジェクト計画

キハラハント副センター長は国連平和活動要員によって引き起こされた犯罪の刑事訴追について研究を行ってきました。また、現在大幅な改革が行われている国連の内部機構と内部規則の実行に関して、更なる研究を予定しています。また、犯罪に至らない程度の行為をも含む性的搾取・虐待(SEA)にも研究範囲を広げています。ヘンリ―准教授は社会科学的また女性学的観点からSEAの防止について研究を行います。彼女は、SEAに直接的、間接的に影響すると考えられる要素について分析し、国連と加盟国の防止に対する各イニシアチブがどれだけ効果があるか、調査する予定です。

これら二つのアングルを持つことにより、このプロジェクトは国連平和活動において引き起こされたSEAの防止とアカウンタビリティについて、より全体的な分析を行うことを目的としています。

4. イベントと研究結果公開

東京において、2019年4月19日、2019年9月13日の二回公開セミナーを予定しています。9月には、ニューヨークで、国連・加盟国の関係者と研究者による会議を予定しています。最終研究結果は両研究者のウェブサイトにて公開される予定です。

関連の記事


国連警察から見える各国の警察事情 研究発表

Area Studies seminar
9月14日木曜日は、
東京大学大学院 地域文化専攻研究集会で
発表する機会をいただきました。
「国連警察から見える各国の警察事情」についてです。

地域文化を研究される先生方に
国連の話をしても良いものか考えましたが、
専門性の高い研究をされている先生方には、
やはり私の専門の分野の話をするのが良いと思い立ち、
国連警察に参加している各国の警察について、
それぞれの事情の考察をしてみました。









Keeping Children Safeの児童プロテクションセミナーでのアカウンタビリティの話

ロンドンにKeeping Children Safe(KCS)という、
児童のプロテクションを専門とするネットワーク団体があり、
傘下に30余の団体がメンバーとして参加しています。

児童のプロテクションというアプローチから、
今回、国連平和活動の中で起こる
要員による性的搾取の問題について
ネットワークとして何ができるか考えるセミナーが
7月7日にロンドンで行われました。
国連の中で不正行為が起きた場合に
対処する内部機関を調査した専門家として、
私もセミナーに招待していただきました。

KCSの観点は児童のプロテクション、
私の専門は犯罪を犯した国連平和活動の要員の刑事的アカウンタビリティ、
この2つがどうして交わるかというと、
性的搾取を含む犯罪が起きた場合に
それに1件1件きちんと対処して
しかるべき刑事的手続きに則って
個人が罰せられるということが、
更なる犯罪を防ぐからです。
現在まで、残念ながら国連の平和活動で
性的搾取の問題が起きた場合に
加害者が訴追される可能性は限りなく低く、
それが更なる犯罪を加速させているからです。

今回のセミナーには、
ドナー、児童のプロテクション分野で活動するNGO、
研究者などが参加していましたが、
中でも目を引いたのが、
イギリスのForeign and Commonwealth Office(外務・英連邦省)から
4人の代表が参加しており、
大臣との会議などの時間の合間を縫って
非常に積極的な発言をしていたことです。
省内にこの問題を専門的に扱う専門家も配属されていて、
セミナーでも具体的に色々な国で行ってきた専門性の高いプログラムなどについて
精通されていました。
私の研究に非常な興味を示され、
これからもなんらかの形で協力していけたら、ということになりました。

国連平和活動要員による性的搾取を撲滅しようという気運は
国連内外でかつてなく高まっており、
この機会に貢献できるところはどんどん貢献していきたいと思います。

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