キハラハント愛の徒然日記

国連平和維持活動、国際人権法、国際人道法、法の支配、治安部門改革の分野で活動するキハラハント愛のブログです。

国連システム学術評議会

日本国際平和構築協会・国連システム学術評議会の平和構築に関するシンポジウム

AKASHIOKAMURAHASEGAWA12月2日(土曜日)、
私が事務局長を務める日本国際平和構築協会(Global Peacebuilding Association of Japan:GPAJ)と
国連システム学術評議会(ACUNS)との共催で
「アフリカでの国連平和活動の新たな挑戦」と名打ったシンポジウムが開催されました。

明石康元国連事務総長特別代表の
カンボジア・旧ユーゴスラビアでのご経験に基づくお話しと、
岡村善文大使の、
国連平和活動のフィールドでのご経験やコートジボアールなどでの
大使としてのご経験に基づくお話しがあり、
大変参考になりました。
特に、私が国連警察について常に問題提起している、
意思決定を行う国連安保理、国連のフィールドと要員を派遣する国との
意識のずれ、意思疎通の不十分さ、装備の不備など、を
軍事要員について鋭くご指摘された大使のお話しは
大変興味深く拝聴しました。
文民の保護というマンデートに
国連加盟国から軍事要員を派遣しても、
その要員を犠牲にしても
現地の文民を守るという決定を
派遣国は現場でできるのだろうか、
どのくらいの割合の派遣国が
そのような判断をできるのだろうか、と、
深く考えさせられました。

事務局長として、企画・運営・連絡・会計すべての責任者ということで、
大変心配でしたが、
おかげさまで外部からも50余名の参加者がいらっしゃる
大きなイベントとなりました。

このシンポジウムのプログラムはこちらです。
発表された内容については、
これからGPAJ/ACUNSのウェブサイトにて
ご紹介していきます。

同日午後には平和構築に関する
GPAJ初めての研究大会を開催しました。
そちらは別途記事にします。

AM sessionUEKISATO


国連システム学術評議会(ACUNS)ニュースレターに

国連システム学術評議会(ACUNS)は、
国連の実務者と国連について研究する研究者たちが集まる会議で、
東京に連絡事務所を持っています。
東京の連絡事務所の副代表として、
6月に行いました「国連を活性化する」と題した会議の報告書を
本部に提出していましたが、
今回のニュースレターに掲載されました。

リンクはこちらです。

会議には高須国連事務次長に基調講演をしていただき、
多数の国連関係者、研究者のご参加をいただきました。
ACUNS本部からは、ジュネーブ連絡事務所代表の
Stephen Browne氏と、
インドからSublash Birla氏に来ていただきました。

21世紀に入り、世界の紛争は一層国境の中で起こり、
一般市民を多く巻き込んでいます。
多くの移民・難民を生み出し、
テロリズムも台頭する中、
各加盟国の国益と世界・人類の共通利益とを
国連はどうバランスを取っていけるのでしょうか。

ACUNS(国連システム学術評議会)年次会プレナリー発表

ACUNS(国連システム学術評議会)は
国連について研究する研究者と
国連で働いている、または働いていた実務者とが一堂に会する
最大のフォーラムです。

私も毎年年次会に参加していますが、
今年は6月15日から17日、
韓国のソウルで開かれました。
今年はプレナリー(全大会)で発表させてもらえました。

ACUNS Seoul presentation

国連の人権についてのパネルにて、
国連警察の刑事的アカウンタビリティについての発表です。
国連警察が実際に重大な犯罪を犯しているのか、
1990年以降の犯罪について、
ひとつひとつデータを検証し、
それぞれ訴追されているのか調査し、
結果訴追されていないという実情に基づいて、
何が訴追の障害となっているのか、検証しました。
法的には、よく言われるのが国連警察の派遣国が
刑事的管轄権がないのではないか、という点と
国連で働く人員の持つ特権免除についてですが、
85パーセントほどの派遣国について
ひとつひとつ刑法と刑事訴訟法を調べ、
管轄権は訴追を阻む主な理由とはならないことを証明しました。
また、国連警察の持つ特権免除については、
業務と関係ない行為には特権免除がありません。
集めた犯罪行為については
ほぼ業務と関係ないものでした。
特権免除も訴追を阻む主な理由とはなり得ないことが判明したわけです。
ただし、国連が特権免除を使う場合、
その使い方は統制が取れておらず、
また、受入国において特権免除を認める理由として
受入国の人権状況に問題があるということを主張する場合があります。
これは特権免除とは別の問題であり、
別の議論(人権)を持って受入国での訴追を退けるべきであると主張しました。
国際人権法における、捜査と訴追の義務というロジックを持ってすると、
受入国、派遣国、並びに国連に、
それぞれ異なる義務の内容が認められます。

下記のリンクから、日本国際平和構築協会のページには英語でアップしました。
http://www.gpaj.org/2017/06/16/15314
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