キハラハント愛の世界漂流徒然日記

国連平和維持活動、国際人権法、治安部門改革の分野で活動する キハラハント愛のブログです。

人権

国際テロ対策についてのセミナー 

昨日9月22日
日本国際平和構築協会のセミナーに
山本栄二国際テロ対策・組織犯罪対策協力担当大使がいらっしゃり、
日本の国際テロ対策についてご講演
されました。

セミナー全体については後程
協会のウェブサイトに出ると思いますが、
コメンテーターとしてお呼びいただきましたので
私のコメント部分の要旨だけこちらに出させていただきます。

ーー

東京大学のキハラハント愛准教授は、日本の「対テロ」の構図から見えてくる、想定される「テロリスト」の設定が「外国人で国境を越えて入ってくる特に中東・アフリカのイスラム系の若い人」で、より多様なテロリスト、テロリズム、より多様な不満、国産の不満にも対応できるのか、また、地域的な取り組みはどうなっているかと問うた。次に、根本要因をどうしていくのか、海外に対して暴力を伴わない意見主張と「寛容」を支援することをうたっているが、国内での政策とはどのようにつながるのかと質問した。また、テロ対策と人権について、(1)「テロなど準備罪」への対処としては警察庁は防犯カメラとプロバイダーとの協力という点を出しているが、また、国連安保理決議やアクション・プランから情報を共有する義務を負ったが、これとプライバシーの権利との関係、(2)テロリストに対処するためには平和的な表現の自由をより守る必要があること、(3)国際的なアクションとしても旅行制限や資産凍結などの制裁を課す証拠と判断課程の水準は人権法の規定を満たさないが、国内的にも気を付ける必要があること、(4)一方で特定の民族の優越をうたったり他の民族・宗教を攻撃する、ヘイトスピーチを含む表現は取り締まる必要があること、を指摘した。


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4月 戦火のシリア・ピアニスト招聘 シンポジウム・コンサート

前記事のシリア国際法セミナーを共同主催している
Stand with Syria Japan (SSJ) という学生主導のNPOが、
戦火のシリアでピアノを焼かれるまでピアノを弾き続け、
ベートーベン人権賞を受賞した
エイハムさんを招聘し、
4月にシンポジウムとコンサートを企画しています。

SSJは、私の大学院の国際人権法や国際法と「人間の安全保障」の授業を
履修していた修士の学生さんである山田一竹(いっちく)さんが
シリアの惨状に心を痛め、
設立した学生主導のNPOです。
学生であるとか、コネクションがないとか、
そのような言い訳をせず、
シリアの市民の惨状を
一人でも多くの人に届けようというまっすぐな気持ちに
私は人権侵害・蹂躙の惨状は嫌というほど見てきたと思っていましたが、
正直感動しました。
世界の大国が動かない・動けない中、
一人の人がこれだけの熱意で他の人を動かせるというのなら、
世界も捨てたものではない、と思います。

そのNPO,SSJが、
この大イベントを実現させるために
クラウド・ファンディングを開始しています。

私も全力で応援しております。
応援してくださる方は、
下記からお願いいたします。

https://readyfor.jp/projects/StandwithSyriaJapan2018

初心に帰る

紛争地で自分の家族や友人の命を守ろうと奮闘する

人々は、たくさんの死に囲まれています。

どこに行っても、誰に会っても、

守りたい人を守ろうとする人たちの生き様は壮絶で

心を打たれます。

彼らが失った愛する人たちへの思いと悲しみは

深く果てしなく、

世界のあらゆる不平等、

司法の救済までも不平等に与えられているという状態を

何とかしたいと

学生の頃に思ってから

何度も軌道を修正しながら

人権法の世界に入ってきて、

何ども悲しみに溺れそうになりました。

何かしたいと思っている自分が

溺れてはいけないと思いながら、

悲しみはあまりにも原色で深く、

時に私の世界を包んでしまうこともありました。

 

1999年の住民投票後、

街中が燃える東チモールから避難した際の罪悪感。

毎日果敢にも仕事にやってきた通訳君達が、

投票所に毎日差し入れを持ってきてくれた女性達が、

あらゆる面でサポートしてくれた村長さん以下青年たちが、

皆どこに行ってしまったか分からない中、

私たちは、

正に目の前で燃やされる私の3番目の通訳君の家を背に
防弾車で避難したのです。


あの時の衝撃。

 

避難したらすぐに、

各テレビのニュースに出たこともあり、たくさんの方々から

「あなたは大丈夫?ああ、無事で良かったね。」という

ありがたいご連絡をいただきました。

私の中に、

東チモールは今こうしていても燃えているのに、

国連を信じてあれだけ果敢に全力で住民投票を実現させた住民たちが

どこにいるか分からないのに、

私を含む外国人だけが無事であることへの怒り、

それでも私の安否を喜ぶ人たちへの怒り、

でも結局何もできない無力感と、

何だかんだ言っても避難してきたという耐えられない罪悪感、など、

潰されそうな悲しみが蔓延しました。

 

どうして今頃このようなことを書くかと言うと、

冷静にいなければ対処できないこともたくさんあるけれど、

人生を左右することになった歴史的瞬間や衝撃は

常に自分の中に置いておかなければ

自分が違う方向に行ってしまうと思うからです。

 

国連で人権を担当していた10数年間の間に、

数々の国であまりにたくさんの生と死に向かい合いました。

私の原点にある、

高校生の時に思ったこと:歴史の教科書で何万人が死にました、と書いてある一人一人の人は、どんな人たちだったんだろう。ヘンリー8世の何人もの奥様の話と、戦争で死んでしまった何万人の人たちのお話と、あまりに命の価値が違いすぎるのではないだろうか。

命の価値は皆同じ、

これは人権の、いえ、人間の原点なのに。

 

でも、実際は、命の扱いは平等ではありません。

あまりにも軽い命

あまりにも安い命が

世界中にあります。

 

国連で働いている際に、はっとしたことがありました。

東チモール・リキシャ県で
あまりにもたくさんの虐殺・殺人・レイプなどの事件を扱っていて、

アシスタント君が、

「○○町で事件があり、2人死者が出たようです。」と

プレハブの仮設オフィスの中で報告してくれた、あの朝。

私の中に、即

「あぁ、これは優先順位が低いな。死者2人だけだから。」という気持ちが浮かんだのです。

あ、これはいけない、と思いました。

自分は一人ひとりの命の重さは同じのはずじゃないか、というところが

原点なのに。

忙しさに振り回されて、何を見失ったのだろう。

その後2週間ほどのお休みをいただいて、

一度東チモールの外に出ました。

 

今、私は国連での仕事をいったん離れ、大学の研究・教育職にいます。

これには2つ柱があります。

1つは世界をより良くするのにより効果的に貢献するために、

国連の内部で実務に翻弄し、

幅広く何でもやるけれど

何も深く知ったり研究したりする時間のない状況を脱却し、

より専門的に一つの分野について、

国際社会を変えられる専門的な提言を

世界の中心に向かってできるよう、

自分でやりたいテーマについて、とことん研究したい、という柱。

もう1つが、私のビジョンをシェアできる次世代の学生さんたちを

全力でサポートして

層の厚い仲間を作っていきたいという柱。

この2つの柱は、

全て私の「世界をより平等な場所にして行きたい」というビジョンに

つながらなければいけません。

 

自分が原点に返ることの大切さを感じます。

そう思わせてくれる出会いに感謝します。

世界の人権問題と日本

今週月曜日は、
栃木県生活協同組合の役員・幹部勉強会にお招きいただきまして、
「世界の人権問題と日本」について講演させていただきました。

世界の人権問題、
現在の世界の国際政治の動向や
ポピュリズムの台頭なども相まって、
お話ししたいことが山ほどありましたが、
シリアやロヒンギャの問題など、
割と絞ったお話しにしました。

人権問題というと
人権を持つ主体としてのすべての人と、
それを確保する責任を持つ国家、という構図ではなく、
思いやり、など、個人と個人の間の話として語られることがあり、
その辺りはきちんとお伝えできていれば良いなと思います。

いただいた質問がとても鋭くて、
沖縄、チベット、など、様々でした。
良い機会をいただきまして、どうもありがとうございました。

国連警察に「選挙と人権」の研修

イタリア・ブリンディシには、
新しく国連平和活動が設立された際に迅速に国連警察を送ったり、
既存のミッションに警察活動の専門的なアドバイスをしたりするため、
計40人ほどの国連警察のスタッフがStandinc Police Capacity(SPC)として待機しており、
各ミッションを支援しています。
SPCには、各国から送られてきた警察官と、
国連が直接雇用している文民とがいます。

10月3日、SPCより依頼を受けて、
「選挙と人権」についての研修を行ってきました。
国連人権高等弁務官事務所勤務時には研修を専門としていたので、
人権にまつわるテーマなら、ほとんど研修材料には事欠きません。

選挙前、期間中、後に守るべき人権について、
特に平和活動受入国の警察官、そして国連警察の警察官の業務に関連する注意事項などについて、
表現の自由、移動の自由、差別の禁止、などを中心に、お話ししました。


SPCに対しては、今春には国連警察の刑事的アカウンタビリティについての
4日間の研修を行ったこともあって、スムーズに研修ができました。

それにしても、国連警察の業務は
以前にも増して高度な技術が求められています。
国連警察の人材も、気をつけて選抜しなければなりません。

training 2

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