11月16日、東京大学大学院「人間の安全保障」プログラム(HSP)と
赤十字国際委員会共催にて、
国際人道法のセミナーを開催しました。
エセックス大学教授で
ICRCの専門家委員会の委員なども務める
Noam Lubell教授をスカイプ経由でお呼びしました。
Lubell教授とはエセックス大学において
同じFrancoise Hampson名誉教授の下で博士号を取得したという
同志としてのつながりがあります。

初めにHSPの運営委員長である遠藤貢先生にご挨拶いただき、
私が15分ほどで国際人道法の基本をお話しし、
Lubell教授に、ドローン、ロボット、自律型兵器、サイバー戦争などについて、それぞれどれだけ国際人道法の「区別」「均衡性」などの原則と緊張関係になるのか、お話しいただきました。

自律型の兵器にもいろいろな種類があり、
自身でターゲットを攻撃することの正当性について判断するような兵器の場合、例えば兵器を持っているけれど負傷して動けなくなっている兵士(保護対象)と、地面に腹ばいになってまさに攻撃しようとしている兵士(攻撃対象)とを的確に区別できるのか、など、
様々な疑問を提示しながらのお話しとなりました。

個人的には、国際人道法とは人道性(humanity)に基づくものであり、
自律型兵器などはその人道性を持ち得ず、
全体的に現在の国際人道法と緊張関係を生む(生んでいる)のではないか、という問いに、
国際人道法は人道性に基づくものではなく、
人道性と軍事的利益との均衡性に基づくものであり、
新しい兵器や戦い方が出てくれば
国際人道法からその合法性を判断することも大事であるが
最終的にはそれを使う人間の倫理の問題になるのではないか、というお話が、それから色々と考えさせられる点となりました。

最後にICRCのリン・シュレーダー駐日代表にご挨拶いただきました。

来ていただいた皆さん、どうもありがとうございました。

IHL seminar

これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。