キハラハント愛の世界漂流徒然日記

国連平和維持活動、国際人権法、治安部門改革の分野で活動する キハラハント愛のブログです。

HSP/SSJ シリア国際法セミナー 3月21日

HSP_SSJ シリア国際法セミナーFinal-1
東京大学大学院「人間の安全保障」プログラム(HSP)では、
来る3月21日に、NPO Stand with Syria Japan (SSJ) との共同主催、
Human Rights Watch、並びに東京大学グローバル地域研究機構 (IAGS) 持続的平和研究センターとの共催で、
7年の紛争を経て未だ国際社会の救済の手の届かないシリアに焦点を当て、
「国際法の見地から捉えるシリア危機
—国連シリア調査委員会による報告と国際的訴追の展望—」と題するセミナーを行います。
このセミナーでは、国連シリア調査委員会の委員をお招きして、同委員会の調査手法と調査結果についてお話しいただき、
国際法の見地から討論をいたします。

3月21日(水・祝)16:00-20:30、
東京大学駒場キャンパスにて、詳細は下記の通りです。
セミナーは日本語・英語で行いますが、英語のスピーチには日本語訳をいたします。
ご参加希望の方は、お席を確保させていただくため、
下記のリンクよりご登録いただけますと幸いです。

――

第245回HSPセミナー

国際法の見地から捉えるシリア危機
—国連シリア調査委員会による報告と国際的訴追の展望—
“Syria Crisis” and the Findings of UN Commission of Inquiry: Prospect of International Prosecution


【日時】2018年3月21日 (水曜・祝日) 16時00分—20時30分

【会場】東京大学駒場キャンパス5号館 2階 524教室
5号館の場所はこちらをご覧ください

【主催】
東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム (HSP)
Stand with Syria Japan – SSJ

【共催】
国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)
東京大学グローバル地域研究機構 (IAGS) 持続的平和研究センター

【対象】一般、学生、教職員 | 資料代500円 

*当セミナーは「チャタムハウスルール」適用の元で運営されます
参加者はセミナーで得た情報を外部で自由に引用・公開することができますが、その発言者・所属機関を特定する情報、並びに特定につながる情報の公開はできません。


【趣旨】
7年が経過したシリア内戦は、大国が有効な対応を講ずることがないまま、市民が残酷極まりない暴力に晒されており、国際社会を震撼させている。
日本における報道はシリア内戦の戦況や人道支援の側面に焦点を当てる傾向にあり、発展的な議論には結びついていない。
本セミナーでは、国際法違反とそれに伴う市民の犠牲について検証し、議論を深めることを試みる。
セミナーは以下三点の目的を有する。
第一に、シリアにおいて発生する暴力の種類と市民の被害の度合いを立証する。したがって、実際にシリアにおける国際法違反の検証に当たった国連シリア調査委員会(CoI)の元委員にスカイプ登壇いただく。第二に、シリア内戦における国際法の見地からの議論を加速させる。第三に、重大な国際法違反に対するアカウンタビリティの確保に対する展望を検証することである。

【プログラム】  総合司会:山田一竹 (Stand with Syria Japan 代表)
16:00 開会 (15:30開場)
16:00-16:10 開会挨拶・趣旨説明
キハラハント愛 (東京大学大学院准教授)

16:10-17:00 イントロダクション
「シリアで何が起きているのか」
Saleyah Ahsan (緊急救命医 元People's Convoy to Syria)

第1部 国連シリア検証委員会の調査手法と調査結果
17:00-18:00 元国連シリア調査委員会メンバー(Skype)
18:00-18:30 Q&A

18:30-18:40 休憩

第2部 国際法による状況分析と訴追の可能性
18:40-19:25キハラハント愛(東京大学大学院准教授)
19:25-19:40 Q&A

19:40-19:50 休憩

第3部 コメント:日本社会の対応
19:50-20:10 土井香苗(Human Rights Watch 日本代表)

総括
20:15-20:30 山田一竹 (Stand with Syria Japan 代表)
20:30 閉会

【国連シリア調査委員会】
シリア・アラブ共和国に関する独立国際調査委員会(The Independent International Commission of Inquiry on the Syrian Arab Republic:CoI)は、2011年8月、国連人権理事会の決議(S-17/1)により設立された、独立した専門調査機関。2011年3月以降シリアで発生した全ての国際人権法・人道法違反を調査するマンデートを与えられている。同時に、委員会は「人道に対する罪」等の重大な国際犯罪の責任者究明、アカウンタビリティ追及(刑事責任追及)のミッションを付与されている。設立以来、委員会は20を超える報告書を公開。人権侵害・人権蹂躙の実態を6000人以上の被害者や目撃者からの聞き取りを含む専門的な調査方法のもと検証している。

【登壇者プロフィール】

Saleyha Ahsan英国を拠点に活動する救急救命医、ジャーナリスト。ボスニア、リビア、シリアにおける紛争地の最前線で救急救命活動に従事。2006年英国ダンディー大学修了(医学士)。2011年英国エセックス大学より法学修士号取得(国際人権法・国際人道法)。シリア国内の医療を支援することを目的としたクラウドファンディング型のプロジェクト「People's Convoy to Syria」のメンバーとして、2016年にはアレッポ郊外に小児病院を建設することに貢献。また、映像ジャーナリストとしても活躍しており、BBC、Channel4 、The Guardian等の主要メディア上で、パレスチナ、カシミール、シリアなどの紛争地における医療現場を報道している。

土井 香苗(Kanae Doi)
国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)日本代表。1998年東京大学法学部卒業。2000年より弁護士として、日本にいる難民の法的支援や難民認定法の改正のロビーイングやキャンペーンに関わる。2006年6月米国ニューヨーク大学(NYU)ロースクール修了。2009年ヒューマン・ライツ・ウォッチ東京事務所を開設、日本代表就任。著書に「“ようこそ”といえる日本へ」(岩波書店 2005年)他。

キハラハント 愛 (Ai Kihara-Hunt)
東京大学大学院 総合文化研究科「人間の安全保障プログラム」准教授。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)職員としてジュネーブ本部、ネパール、東ティモール等各国での勤務を経て、2017年より現職。英国エセックス大学より、法学博士号取得。指導教員は現国連ブルンジ独立調査委員会委員Françoise Hampson。専門は、国際人権法、国際人道法、国連平和活動(特に治安部門)。著書に「Holding UNPOL to Account: Individual Criminal Accountability of United Nations Police Personnel」(Brill社 2017年)他。

山田 一竹 (Icchiku Yamada)
Stand with Syria Japan (SSJ) 代表。東京大学大学院 総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム修士課程在籍(ジェノサイド研究)。2016年立教大学異文化コミュニケーション学部より学士号取得。2014年英国高等教育機関Foundation for International Educationにて紛争分析・解決プログラム修了、現地の難民支援団体にて支援活動従事。2017年シリア危機に対応することをミッションに掲げた非営利団体「Stand with Syria Japan」設立・代表就任。

3月8日 国連事務次長補(戦略調整担当)ホスチャイルド氏講演会

Fabrizio seminar final-1
来る3月8日、東京大学「人間の安全保障」プログラムにて、国連事務次長補(戦略調整担当)のFabrizio Hochschild氏の講演会をホストいたします。

Fabrizio氏はUN-OHCHR(国連人権高等弁務官事務所)時代の私の上司でもありますが、UNHCR、UNDP、UNRWA、平和活動の現場など、様々な人道・人権・平和(維持、構築)の分野を得て、今、この混迷する世界において国連の戦略調整という職務を担当するFabrizio氏に、日本が力を入れる「人間の安全保障」と国連、その展望を伺える良い機会だと思い、本講演会を担当しています。

3月8日、13:00-14:20、一般公開です。皆さんお誘いあわせの上、ぜひどうぞ。

初心に帰る

紛争地で自分の家族や友人の命を守ろうと奮闘する

人々は、たくさんの死に囲まれています。

どこに行っても、誰に会っても、

守りたい人を守ろうとする人たちの生き様は壮絶で

心を打たれます。

彼らが失った愛する人たちへの思いと悲しみは

深く果てしなく、

世界のあらゆる不平等、

司法の救済までも不平等に与えられているという状態を

何とかしたいと

学生の頃に思ってから

何度も軌道を修正しながら

人権法の世界に入ってきて、

何ども悲しみに溺れそうになりました。

何かしたいと思っている自分が

溺れてはいけないと思いながら、

悲しみはあまりにも原色で深く、

時に私の世界を包んでしまうこともありました。

 

1999年の住民投票後、

街中が燃える東チモールから避難した際の罪悪感。

毎日果敢にも仕事にやってきた通訳君達が、

投票所に毎日差し入れを持ってきてくれた女性達が、

あらゆる面でサポートしてくれた村長さん以下青年たちが、

皆どこに行ってしまったか分からない中、

私たちは、

正に目の前で燃やされる私の3番目の通訳君の家を背に
防弾車で避難したのです。


あの時の衝撃。

 

避難したらすぐに、

各テレビのニュースに出たこともあり、たくさんの方々から

「あなたは大丈夫?ああ、無事で良かったね。」という

ありがたいご連絡をいただきました。

私の中に、

東チモールは今こうしていても燃えているのに、

国連を信じてあれだけ果敢に全力で住民投票を実現させた住民たちが

どこにいるか分からないのに、

私を含む外国人だけが無事であることへの怒り、

それでも私の安否を喜ぶ人たちへの怒り、

でも結局何もできない無力感と、

何だかんだ言っても避難してきたという耐えられない罪悪感、など、

潰されそうな悲しみが蔓延しました。

 

どうして今頃このようなことを書くかと言うと、

冷静にいなければ対処できないこともたくさんあるけれど、

人生を左右することになった歴史的瞬間や衝撃は

常に自分の中に置いておかなければ

自分が違う方向に行ってしまうと思うからです。

 

国連で人権を担当していた10数年間の間に、

数々の国であまりにたくさんの生と死に向かい合いました。

私の原点にある、

高校生の時に思ったこと:歴史の教科書で何万人が死にました、と書いてある一人一人の人は、どんな人たちだったんだろう。ヘンリー8世の何人もの奥様の話と、戦争で死んでしまった何万人の人たちのお話と、あまりに命の価値が違いすぎるのではないだろうか。

命の価値は皆同じ、

これは人権の、いえ、人間の原点なのに。

 

でも、実際は、命の扱いは平等ではありません。

あまりにも軽い命

あまりにも安い命が

世界中にあります。

 

国連で働いている際に、はっとしたことがありました。

東チモール・リキシャ県で
あまりにもたくさんの虐殺・殺人・レイプなどの事件を扱っていて、

アシスタント君が、

「○○町で事件があり、2人死者が出たようです。」と

プレハブの仮設オフィスの中で報告してくれた、あの朝。

私の中に、即

「あぁ、これは優先順位が低いな。死者2人だけだから。」という気持ちが浮かんだのです。

あ、これはいけない、と思いました。

自分は一人ひとりの命の重さは同じのはずじゃないか、というところが

原点なのに。

忙しさに振り回されて、何を見失ったのだろう。

その後2週間ほどのお休みをいただいて、

一度東チモールの外に出ました。

 

今、私は国連での仕事をいったん離れ、大学の研究・教育職にいます。

これには2つ柱があります。

1つは世界をより良くするのにより効果的に貢献するために、

国連の内部で実務に翻弄し、

幅広く何でもやるけれど

何も深く知ったり研究したりする時間のない状況を脱却し、

より専門的に一つの分野について、

国際社会を変えられる専門的な提言を

世界の中心に向かってできるよう、

自分でやりたいテーマについて、とことん研究したい、という柱。

もう1つが、私のビジョンをシェアできる次世代の学生さんたちを

全力でサポートして

層の厚い仲間を作っていきたいという柱。

この2つの柱は、

全て私の「世界をより平等な場所にして行きたい」というビジョンに

つながらなければいけません。

 

自分が原点に返ることの大切さを感じます。

そう思わせてくれる出会いに感謝します。
プロフィール

hyoryumin_jane

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